オリT8・9・10

 思い立ったらすぐにオリジナルTシャツを作れる、というのは本当に愉しい。アイロンシートの、いかにも生地の上にシート貼ってますというアイロンシート感が、ちょっといまいちだなあと思うときもあって、たまにTシャツにインクでプリントする「Tシャツくん」のことへも思いを馳せたりもするのだけど、しかしやったことはないが、「Tシャツくん」はここまで気楽には製作できないんだろうと思うと、データを切って貼るだけのこれでやっぱりいいのだと思ったりもする。
 最近作ったものを紹介する。
 まずはこちら。


 「オリT5」で紹介した、BUNS SEIN!のTシャツ。意味が意味なので、職場に着ていくのはさすがに控えようかな、なんてことをその際に書いたが、蓋を開けてみたら普通に着て行っている。さらには、殊の外デザインが気に入ったため、だいぶヘビロテ気味で着ている。そして挙句の果てには、こうして初めての色違いまで作った。先行の水色に白もいいが、こちらのレモンにオレンジもなかなかいい。どちらもいかにも夏らしい、爽やかさを感じさせる、まんぐりがえしだと思う。
 続いてはこちら。
 

 「オリT7」としてチンプイTシャツを作った際、タイトルロゴシリーズを他にもやろうかな、ということを書いたが、それを実行した形である。「ハッスルパンチ」は、1965年に放送されていたというモノクロのアニメ。実は僕はこれがすごく好きだったのだ、なんてことはもちろんなく、Tシャツ作りのためにアニメタイトルロゴ一覧みたいな資料ページを眺めていて、そこで初めて存在を知り、純粋にロゴの良さだけで選んだ。つまりアニメにはなんの思い入れもない(でもキャラクターもオシャレでかわいい)。安く売ってたから、という理由でぜんぜん知らないロックバンドとかのTシャツを着る現象は世の中に多くあるが、ここまで思い入れのない作品のグッズを自主製作する、というのはだいぶ珍しい行為かもしれない。でもいい仕上がり。
 最後はこちら。
 

 これはパロディTシャツ。某ブランドで、「GIRLS CAN DO ANYTHING」というロゴのTシャツを販売していて、すごくいいなあと思ったので真似した。「女の子はなんだってできる」、あるいは「ウチらは無敵」とでも解釈するのか、まあどちらにせよかわいい。フレーズの強烈さから、ちょっとフェミニズム的な批判もあったりするようなのだが、そういうことじゃないだろうと思う。僕は、イズムがどうとか、アンチテーゼとか、そんな意味合いは一切なく、文面をこうアレンジした。「俺はなんにもできない」。フォントも文字の配置も本物にできる限り寄せたので、その結果、ここまで強いデザインでそんなことを言う潔さ、という部分が大変おもしろくなったと思う。よくネタTシャツというか、パーティーグッズみたいなやつで、「ダメ人間」などと記されているTシャツがあって、あれはどうしようもなく滑っているが、言葉の内容的には一緒でも、これならいいだろうと思う。このデザインはやはり概ね丸パクリしているだけあって訴求するところがあるのか、あのファルマンまでもが「欲しい」と言ってきた。もちろん文面的にも大いに感じ入る部分があったのだろう。しかし夫婦でこのTシャツを着るのはどうなのかと思う。