極北の数ミリ先へ、そして大切な読者のみなさまへのお知らせ


 待ちに待った年末年始連休が始まったというのに、水着作りはスタートダッシュをかけられずにいる。前回の記事で語ったように、まだ新しい型が定まっていないのだ。
 サイド幅を基準に考えたとき、新々パターンが7.2cm、ちょっとやりすぎてほぼほぼビキニになったものが4.8cmだったので、その中間である6cmくらいを目指してはどうか、ということを書いた。というわけで連休初日の今日は、それを試作したのだった。
 しかしただそれのジョニファー着用画像を載せたところでどうせ伝わらない。はじめから3パターンを並べた比較画像を提示することにする。こちらである。


 以前「恥を超えた、快楽の星座」というコピーで紹介した柄だが、これで既に7.2ver.と4.8ver.を作製していたので、比較にちょうどいいと思い、間に置いた本日の6.0ver.も同生地で作った。画角に対するジョニファーの配置が必ずしもピタリと重なるわけではないが、だいぶ近い形で撮れたのではないかと思う。
 こうして見てみると、当たり前と言えば当たり前だが、なるほどサイド幅に合わせて全体の面積も見事な傾斜になっている。設計というのはおもしろいものだとしみじみと思う。そしてこの画像を見る限り、今回の6.0ver.はなかなかいい出来のように見える。なるほどボックスの極北であり、同時にビキニの前線になっているのではないかと。
 しかしこれは前々から漏らしていることだが、ジョニファーの着用画像というのは、実際の人間、それは取りも直さず僕のことなのだが、その着用姿とは、わりと違うのである。僕用にMサイズで作っているものを、Lサイズ体型のジョニファーに穿かせているので、生地は張っているし、そして張った生地が肌にめり込むこともない。なので実際に生身の人間(僕)が穿いているのを(鏡で)見ると、この画像よりもやや水着の面積は小さくなる。
 そしてそれは、ちょうどひとつずつ右の画像のようなのだ。7.2ver.の水着を人間が穿くと、6.0ver.の水着の画像のように見える。同じく6.0ver.の水着は、4.8ver.の着用姿のように見える。
 そうなると話はどういうことになってくるかと言うと、11月からシュレディンガー水着と銘打って完成を目指してきた試みは、もとから極北地点に立っていたのに、そのさらに先へ足を踏み入れ、その先にはこちらが望む成果など当然ないという、どこまでも無為な修羅の道だったということである。なぜなら絶対条件として、僕はビキニではプールに繰り出せないのである。それゆえに、ボックスの極北を求めていた。でもその青い鳥は、希求するまでもなく、はじめから自宅の庭にいたのだ。僕は前から極北ボックスで泳いでいたのだ。
 とは言え2ヶ月近く行なっていた今回の試みをまったくの無に帰してしまうのは悔しい。秋口から新々パターンを作っていて、でもそれに対してほのかな不満が募り、今回の模索の旅へと至ったわけで、そう考えればやはり改善の余地はあるのだと思う。7.2と6.0の間を求めて、次は6.6あたりかな。ミリ単位での調整というやつ、嘘くさい売り文句だと思っていたが、本当にあるんだな。次くらいで納得のいくものを完成させて、秋に手に入れた新しい柄の生地にどんどんカッターを入れていきたいと思う。
 とまあ、作業的にだいぶ半端なタイミングではあるのだが、ここでこのブログを読んでくれている人に報告がある。
 2018年から始まった「nw」、突然だが、今回が最終回である。7年間、35歳から42歳まで、パピロウのハンドメイド(後半はほとんど下半身)に関する思案や報告を綴るために存在していたブログだったが、このたびその役割を終え、幕を閉じる運びとなった。ブログというのは、あるとき明確にその役割を終えるのだ。ブログって、そうなのだ。ブログってほら、例のあれと例のあれを、繰り返すものですからね。次の展開をお愉しみに!