夏のワンピース

 
 ファルマンと子どもたちが、僕よりも1週間あまり先乗りした今年の夏の帰省の、そのひとりで過した1週間あまりで、子どもたちのワンピースを作っていた。振り返ってみれば、家族がいないからと言って、普段の平日にそう子どもの世話をしているわけでもなく、むしろ洗濯や料理など、普段はファルマンに任せっきりの家事を自分でしなければならないため、自由になる時間は逆に短くなるわけだが、なんとなく家族がいない解放感や身軽さが、僕をミシンへと向かわせたのだと思う。もっとも夜の作業終了後、ミシンやアイロンを別に片づけなくていい、というのは、普段に較べて大いに楽な部分だった。
 そんなわけで完成したのがこちらである。
 

 赤い小花柄の生地で、素朴でかわいい。とても安かったのだが、そうペラペラでもなく、いかにもなプリント感もないので、なかなか掘り出し物だったと思う。型はとてもオーソドックスなもので、切り替え下のスカート部分のギャザーさえちょっと気にすれば、あとは縫い代を順守して縫えばそれでよかった。夏用のこういう1枚仕立てのワンピースというのは、これまでお揃いで持っていなかったので、即戦力としてこの夏けっこう着せた。
 ふたりの着た姿がこちらである。


 帽子もおそろいで、そしてこのワンピースを着せていると、ちょっと傍目には、「お、おおう……」という感じがある。まあ4歳児と7歳児なのだから、親のやりたいようにやればいいんだと思う。いまのところ親の手作り品を喜んで着てくれる。クルクル回ると、スカートがふんわりと膨らむ。夢がまあまあ叶った感じがある。