実録ドキュメンタリー連載「ファン活」第5回


 
MAXのファンになって、とりあえず音楽CDを聴いてみたが、MAXの唄う歌にはあまり魅力を感じることができなかった。それでは僕はどうやってMAXのファンをしていけばいいのか、どのようにMAXと接していけばいいのかと考え、考え考え、考え抜いた末に、オリジナルのMAXマークを作ることにした。
 今回の企画を通して、ファルマンは僕の「ファン素養の低さ」をたびたび糾弾してくるのだけど、この行為に関してもやはり指摘をしてきた。曰く、「それはファンの行動ではない。ファンならば、公式が認証したマークをこそ尊ぶべきだ」という。公式のマークとは、浜崎あゆみの「H」と「A」が合わさったような、マイルドヤンキーの車にステッカーでよく貼ってあるあれであったり、嵐の「嵐」の山部が王冠みたいになっているあれであったり、ああいうもののことをいうのだろう。それじゃあMAXに公式にああいうマークがあるものなのかと、「MAX マーク」で検索をかけた。その結果、なんか車のページしか出てこなかったので、次に「MAX 歌手 マーク」で改めてかけてみる。するとMAXとマークパンサーがコラボをしたという、マイナス×マイナスがまさかの大マイナス、みたいな情報しか出てこなかった。つまりMAXに公式のマークというものは存在しないらしかった。
 ならば僕が勝手に作っても問題あるまい。というわけで考えた。考えて、完成して、そんでもって消しゴムはんこを彫った。それがこちらである。


 デザインの説明をすると、くりんくりんとなっている、左のふたつで「M」、右のふたつで「A」を表している。オリンピックと一緒で、具体的にどれがどれということはないが、4つのくりんくりんは、もちろん4人組であるMAXをイメージしている。そしてそれらの右下にそれぞれ差さっている斜めの線が、「X」になっていると同時に、これがこのデザインの最も凝った点なのだが、メンバー全員の名前が「ナ」で終わるMAXの、それぞれの「ナ」でもあるのである。そういうマーク。すごくないか。すごい完成度じゃないか。「M」「A」「X」で、4人組で、「ナ」なのだ。完璧じゃないか。
 というわけでとても大成功に出来上がったMAXマークなのでした。
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 それで? 
 オリジナルのマークを作ったあと、ファンはいったいなにをすればいいんだ?