ピイガ入学グッズ

 ピイガの入学グッズを作る。もちろん僕が作る。もはやいうまでもない。
 生地はピイガと一緒に買いに行ったのだが、ほとんど僕の独断で選んだ。予想はしていたが、ピイガは薄紫とも薄桃ともいえないような、そんな色のものがいいというので、それを折れさせるのが大変だった。それならもうはじめから一緒に行かず、勝手に買って帰って勝手に作ればいいじゃないかという話なのだが、そこはやっぱり「本人の希望(同意)で選んだ」という形を取りたいのだった。
 というわけでこのように出来上がる。
 

 左前方から順に、マスク入れ、コップ・歯ブラシ入れ、上履き入れ、手提げかばんという4点である。幼稚園と違ってランチョンマットがないので、なんとなく少ない感じがある。
 生地は見ての通り灰色ベースのもので、6歳の女児はなかなかセレクトしないものだろうと思う。でも花がかわいくて、すごく気に入ったのだ(僕が)。底布は臙脂にし、いつものように名前のスタンプを押したネームを縫い付けた。前半ふたつの巾着の紐、そして後半ふたつの袋の鞄テープは、「この中にすべて揃えて入れてますよ」というセットを買ったのだが、これのエメラルドグリーンを選んだところが我ながら秀逸だと思う。この布の色味にはエメラルドグリーンしかない。いいものができた。


 巾着2点は1枚布だが、後半ふたつには裏地がある。裏地も吟味に吟味を重ねて、焦げ茶色にベージュのドットという柄を選んだ。ここに紫色を持ってくる案、はたまた緑を持ってくる案もあったのだが、まあこれでよかったんじゃないかと思う。
 手提げはファスナー仕様で、まあまあ作るのがややこしかった。ファスナーはムシの大きな特別なやつで、わりと高かった。でも一般的なものより見た目がかわいかったのでこちらを選んだ。しかし縫う際はファスナーのギリギリの所を縫うので、ムシやスライダーがゴツいのはその分だけやりづらかった。斯様に労作であるということを主張しておきたい。


 ちなみに、実は内ポケットを忍ばせてある。ポルガの小学校の手提げにもこれは備えてやっていて、今回これを作るにあたり、「内ポケットって使うの?」と訊ねたら「図書カードを入れるのに便利だよ」という答えだったのでこちらにも付けてやった。
 というわけで無事に一式ができあがる。そしてたったいま気づいたが、もしかしたら子どもにこういう手作りグッズみたいなものを作ってやるのって、下の子の入学のこれで、ほぼ最後なんじゃないだろうか。え、寂しい。いまさら気づいた。寂しい。