なんとなく気が向いて、久しぶりにフェルト手芸なんかに取り組む。
今回はオリジナルキャラではなく、本を見て作った。本は日本ヴォーグ社「20cmのフェルトで作る かわいい動物たち」(前田智美)で、これは当時勤務していた書店で買った(1割引き)ので、もう手に入れてから10年くらい経っている。この本の中から、島根時代にゾウを作っていて、これが2013年のこと。月日が経つスピードの速さに震撼するばかりである。
このたび作ったのは、ゾウのときに少し触れているが、その節は途中で投げ出したゴリラである。もちろんその際の作りかけは残っていなかったので、今回ははじめから作り直した。ゴリラは、当時はネタとして取り掛かり、しかしモチベーションが保てずに頓挫してしまったのだが、それから7年経ち、どういう因果か、異様にゴリラのことが好きな次女という存在が現れたため、出来上がったとき喜んでもらえる担保から来る安心で、本当にびっくりするくらい手間だったのだが、なんとか仕上げることができた。
それがこちらである。
まず誰もが抱く第一印象として、緑である。
教本にはもちろん焦げ茶色と黒のフェルトを用意するよう書かれているのだが、去年の幼稚園の役員でファルマンが、結局必要なかったのに見切り発車で買ってしまった緑と黄緑のフェルト(しかもダイソーの巨大なやつ)というのが家にあったので、それで作ることにしたのだった。出来上がってみたら、実にジャングルの風景にうまく紛れそうなゴリラになった。しかしちょっと気になったので検索してみたところ、哺乳類の持つ色素から緑色は作れないため、緑色の体毛を持つ哺乳類というのは存在しないらしい。ためになったねー。
型紙通りに作ったため僕の功績ではぜんぜんないのだが、骨格の表現というか、カーブの感じが秀逸だと思う。この本、いまはもう絶版のようだが、売れてシリーズ展開し、カバとかトラとかラクダとか、もっとたくさんの動物が出たらよかったのになー、と思う。
作りは、頭+胴体に、手足をくっつけて出来ているわけだが、教本では「手足を縫い付ける」としか書いていないのを、ここだけは少し勝手なアレンジをして、テディベア方式の、ボタンで留める仕組みにした。これにより手足はそれなりに可動し、さまざまな姿勢を取らせることができる。
自立はしないが、直立しているようなポーズを取らせることも可能。愉しい。3体くらい作って絡ませたらもっと愉しいんだろうな、と思うが、なにしろ全て手縫いのため、この1体の製作に10日くらいかかった。なのでゴリラはもちろん、フェルトマスコット作り全般が、また当分やらなくていいかな、という気分になっている。
次女は見せたらとても喜んでいた。大事にしてほしい。腕をぐるぐる回さないでほしい。ちぎれるから。