家にいて、そして家に工業用ミシンがあるので、これまでとは較べものにならないペースで作業が進む。めっちゃ快適。ストレスなく作れると本当に愉しい。
というわけで完成したのが、セーラーカラーブラウスとワンピースのセットである。
この半年ほど、僕を除いた我が家の面々の間でセーラームーンブームが巻き起こっており、その影響でポルガがセーラー服というものにずいぶんな憧れを持ち、町なかでセーラー服の女学生を見かけると、見えなくなるまでずっと目で追うという、どこぞのおっさんみたいな有様になっているのだそうで、僕が「暇だしなんか作ろうかなー」という素振りを見せるやいなや、「セーラー服がいい!」とリクエストしてきたのだった。
それでいろいろとセーラーカラーのものの型紙を漁り、本当にいわゆるセーラー服、水兵のシャツのようなものと迷ったのだが、それはやっぱり着る機会がだいぶ限られるのではないか、というかさすがにただのコスプレなのではないかと思いとどまり、写真のもののような仕上がりとした。これはこれでだいぶ制服めいた。
ワンピースの生地が2着で微妙に違うのは、会社でもらった生地だからで、それぞれ1着ずつしか作れない程度の幅しかなかったのだった。質感はほとんど一緒。なにぶん紳士用のフォーマルの生地なので、とてもしっかりしたものである。ブラウスとワンピースは、いちおうセットなのだが、それぞれ他のものと組み合わせても着ることができる。ワンピースの胸元のリボンは、実はピンで取り外しができるようになっているので、このブラウスと合わせるとき以外は外してもいいだろう。
今日はこの服の撮影がてら、梅雨の切れ間だったので公園へと繰り出したのだが、いざ撮影するとき以外は、暑いのでもちろんワンピースは着ず、ブラウスだけだった。もちろんそういう着方も可能。
ブラウス的なものって初めて作ったのだが、作れるもんなんだな、と思った。もちろん子ども用なので作りは簡素だ。これが大人のワイシャツだと、台衿があったり剣ボロがあったりと、もっとずっと面倒で、とてもハンドメイドは割に合わないということになるが、子どものは有りだな、と思った。ブロードという生地で作ったのだが、1メートル500円くらいで安いし。今回はオーソドックスに白だが、別の色で作るのもおもしろいかもしれない。ちなみに衿にテープを縫いつけたのは指示書にはなかった僕のこだわりで、これでぐっと満足感が増した。あと縫製は当然すべて工業用ミシンで行なったのだが、最後のボタンホールだけは旧ミシンを使用しており、やはり旧ミシンはこれからボタンホールステッチ専用ミシンとして生きていくことになりそうだ。
撮影にいい場所に到着して、ブラウスの上にワンピースも被せて撮ったのがこちら。ウェブなのでどうしたって後ろ姿だけになってしまうのだけど。しかしこうして見ると本当に制服めいている。既視感がある。こんなの普通に見たことある。
この広場で、うちの子たちと同じような年齢の息子ふたりを連れた家族がいて、そちらは虫捕り網を持って延々とトンボを追いかけていた。娘ふたりと、息子ふたりの、それぞれのパターンの家風の違いが明瞭でおもしろかった。ちなみにピイガの三つ編みの先端にある黄色いものは、野原に生えていた花だ。それを挿している。これが娘だ。
作って着せてみたらあまりにも制服なので、どうもなかなか着せられる機会が少なそうな気もするが、かわいらしいのでまあいいや。ブラウスはもうちょっと作る気もする。