パパポッケ移動ポッケ

 

 移動ポケットである。それの、minne出品ver.である。
 子どもたちに作ったようなヒットくんのアップリケは、刺繍もあるし、工業用ミシンだけでは済まないしで商売にするのは無理なので、ネーム以外はとてもシンプルなものになった。シンプルな分、布で遊ぼうと最初は思ったのだけど、実際に作ってみた結果、本体もふたも柄物にするとものすごくガチャガチャするということが判明したため、このような仕上がりになった。ほどほどに抑制された、端正な代物になったのではないかと思う。
 ドットボタンは飾りではなく本当に留められるようになっている。資材は前から持っていたのだが、今回ようやく使える場面になったので使った。布に取り付ける際は、ハンマーで叩く必要があり、これはちょっと集合住宅ではできなかったため、わざわざファルマンの実家に行って作業させてもらった。


 裏に少しだけ矜持というか、本当にシンプルな、変哲もなにもないデザインではないぞということで、普通は端から端まで紐状にした布を縫い付け、そこにクリップのフックを巻くのだが、これをクリップの幅ぴったりのループにした。それをすることで、デザイン的、機能的にどんなメリットがあるのか、といえば別にないのだけど、なんとなく「どうだ」感がある。ちなみに自分からいうのも野暮な話だが、左右の間がわずか1,5センチ幅のループを縫い付けるのは、なかなか神経を使うので、そのあたりを、見る目のある人は「ほほー」となってほしいと願っている。
 売価は1200円。信じられない安さ。30年前のお値段です。