グラニー風 丸トート5種


  年末年始、三食すべてを引き受けた炊事の傍ら、合間で筋トレをしたり作業をしたりしていた、その作業のほう、トートバッグ作りが、このたびの成人の日の連休も使って、とうとう完了したのだった。
 そんなわけで早速、minneに出品をした。


 前に「グラニーバッグのようなトートバッグ」として販売した、あのバッグである。
 今回は商品名を「グラニー風 丸トート」とし、型や紐の長さも微妙に変更した。マチをつけようかとも思っていたのだが、ファルマンが使っているのを見ていると、物を入れたら自然と膨らみ、安定のいい形になるので、別にいらないと思い、やめた。


 このふたつは同柄の色違いで、さらに色違いの生地で「ボックスポーチ」も出品している。ちなみにファルマンはこの「ボックスポーチ」の生地(明るい緑色)で作られた、このバッグを使っている。今回出品したこの色は、緑というか、青というか、ターコイズブルーというには緑だし、エメラルドグリーンというには青い、みたいな複雑な色をしている。ちなみにこれは既に1点、義母によってお買い上げいただいた。そんなわけでいま、妻と義母が僕の作ったお揃いのバッグを使っている次第である。


 これは初めて使う生地。写真ではだいぶくすんでしまったが、実際はもう少し明るい(それぞれのディスプレイの明るさにもよるけれど)。写真だと枯れる直前の草のような色だが、むしろ若草に近いと思う。花のターコイズブルーと、全体の若草色と、持ち手の臙脂が、いい具合に調和していて、おしゃれに仕上がった。


 これも実際より暗くなってしまった。実際は、グレーというより、落ち着いた深緑かな、みたいな色。キングの糸番でいうなら、785よりは濃くて、764よりは薄いくらいの色(わかる人にはすごくわかる表現)。今回のバッグ、気づけば緑系が多くなってしまった。生地を揃え、作ってから気づいた。あとこの柄は、雰囲気があまりにも僕の母の趣味っぽく、作り上げた瞬間、たったいま作ったはずなのに、もう前からあの人このバッグ持ってなかったっけ、みたいな不思議な気持ちになった。


 最後はこちら。今回唯一の、規則正しい柄。イラスト柄だけど、こう整然と並んでいたら、ある意味チェック柄みたいなもんだと思う。そのため普通に作ったのではあまりにも殺風景でつまらなくなるのではないかと不安を感じ、これにだけ通常の内ポケットに加え、外ポケットもデザインのワンポイントとして付けた。結果、とてもかわいくなったと思う。単なる飾りではなく、もちろんきちんとポケットになっているが、そこまで大きく作っていないので、鍵やスマホなどの貴重品は入れないほうがいいだろう。他のバッグは3800円なのだが、これだけ外ポケット分として200円追加で4000円とした。実にわりが合わない。パイピングとか、柄合わせとか、まあ「好きでやってんだろ」といわれればそれまでなのだが、こういうポケットひとつ、作ろうと思ったらけっこう作業量はあるのである。
 出品は以上の5点。このそれぞれを、5つずつ作った。すなわち、25点作ったのだ。ようやったもんだな、と我ながら思う。実をいうと、あともう少し、最後のステッチとかがまだのものもあり、なのでいま「全部もらおう」とアラブの大富豪(でなくても買える値段だが)にいわれたら少し困ってしまうのだけど、しかしまあほとんど完成といっていい。この3週間あまりは、だいぶこれの製作にかまけていたため、ようやくこれから解放され、別のことができるようになるのが嬉しい。やっと帽子が作れる。売れたらいいな。