そのやりとりが帰省の2週間前くらいで、できれば帰省の前に品物を完成させて、持っていって渡せたらいいなあと思ったのだけど、「こんな感じの」というのなら実物を見て作ったほうがよかろうと、「じゃあそっち行ったときに物を見せてよ」と言ったら、「これはネットオークションで出品されていたものだから実物はない」と来て、さらには「これより襟ぐりは広めに、胸ポケットは付けず、サイドにスリットを入れて、素材は麻で」と、自分の求めているものが明確すぎだろうと言いたくなるような注文をつけられ、むう……、と思いながら製作に取り掛かった。しかしながら作業はなかなか難航し、GW前半の3連休を用いても完成させることはできず、そのため帰省には持っていくことはままならず、そしてなにぶん帰省から帰ったらその3日後にはすぐさま母の日当日であるから、そこに間に合わせることもできず、結局5日遅れくらいで完成品を送った。
それがこちらである。
あ、モアレってるな。ものすごく近未来的な生地みたいになってしまった。実際はとても細かい千鳥柄である。
こちらの画像ならば大丈夫か。こちらは背面。スラッシュあきとなっている。スラッシュあきなんて初めて作った。本やYouTubeを見ながら、しかしさすがのもんだな、とてもきれいに仕上がった。
そして、
もっともわざわざ型紙を起こしているので、それで1着しか作らないのではあまりに非効率だ、という要因もある。ちなみに型紙作りから画像のモデルまで、ファルマンに協力してもらった。これについては母から「ファルマンが着られれば私も着られるから」と言ってきたため、その意を汲んでお願いしたのだが、しかし本当に厳密にファルマンの体に合わせて作ったら、たぶん母は着られないと思う。そんなこと別に言わなくていいのだが。
去年のエプロンの柄に対し、今年のブラウスの生地は、だいぶ置きにいったな、という感じがある。どちらも、実に母が既にその生地の服を持っているっぽい生地だ。まあエプロンとブラウスだ。そういうもんだろ、という気もする。こちらの青いほうは、生地は厚めなのだが、ちょっと皺が強く残る感じの生地で、扱いが微妙に難しそうだ。もちろん水通しはしている。
昨日送って、今日届いたそうだ。概ね気に入ってもらえたようだが(まさか「気に入らない」とも言うまいが)、「ネームの主張が強い」という言葉もあった。それもそうだろうな、とも思う。僕も、付けないのもなんだな、というくらいの気持ちで付けたので、「なんならどうぞ外してください」と答えておいた。ぐるりを叩いているだけなので、ステッチを切ればすぐに取れる。取りゃええ。
ちなみに今回のマスクは、初めて作った大臣マスクである。大臣マスク。別の正式名称があるのかもしれないが、西村大臣の印象があまりにも強くて、ハンドメイド界隈ではすっかり「大臣マスク」で通っているこの型の不織布マスクを、母やら姉やらの横浜の面々が着けているのを見て、ウレタンのあれと違い、僕は中央に縫いの合わせ目があるものが嫌いなのだけど、これはそうではないので、悪くないじゃないかと思い、作ってみることにしたのだった。そうしたら、これまで作っていたプリーツマスクよりもはるかに簡単だったので、なんだこれでよかったんじゃないか、と拍子抜けした。こんど自分用にも作ろうと思う。
母からはマスクの礼も来た。それはそうだと思う。「ブラウス」とリクエストして、2着で、しかも共布の大臣マスクが4つ届いたら、すごく嬉しいと思う。よかったね。