ビキニショーツ製作漫談 5


 フロントの下部をダーツにして立体感を出している、ということを書いた。
 それじゃあ縫ったあとの縫い代をどう処理しているのか、という質問が、全国の手芸部の女子から届いた。というのが現実だったらどんなにいいだろう。ちんこのための膨らみの内側がどうなっているのか、そんなに知りたいのなら、こっちに来てウエストのゴムを引っ張り、実際に目で見て確認してみてごらん。

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白とベージュのボーダー柄なのだが、生地が独特で、全体がシャーリングされたような加工になっている。そこに興味をひかれて購入したのだが、届いてみたらわりとシャカシャカした手触りで、まるでボディタオルのようだと思った。どう考えてもインナー向きの素材ではなかったが、それでも作った。穿けないこともない。

 正解は「割っただけ」で、特に何の処理もしていない。売り物ならばこんなわけにはいかないだろうが、自分で穿く用なので別にいいのだ。ニットなので端から糸がどんどんほつれるということもなく、5ミリ程度の縫い代で何の問題も発生していない。
 ちなみに売り物の場合、前回の記事で触れた、中央に縫い目が走るような作りでは、基本的に袋縫いになっている。袋を収納するための膨らみが袋縫いで処理されているというのは、とても気の利いた洒落だよなあといつも思う。

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青である。
012において、「黄色って肌の色に近いので下着に向いていない」と書いた。
それで言うと青はいい。オレンジ色の反対色は青ということで、青いショーツを穿いた状態というのはキパッとした鮮やかさがある。おすすめです。

 ショーツの面積は、下品にならない範囲でぎりぎりまで小さいほうがいい、という信念がある。下品にならない範囲というのはどこまでも僕の個人的な感覚で、例えばTバックなんかは女子のそれでさえ好きではないので言語道断だし、フロントとバックの接続、すなわちサイド部分に紐を使用するのは、これは女子の場合は大いに歓迎するところだが、男のそれはあまりに気持ち悪いと思う。

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黄色と緑が混ざったような、当世流行りのピスタチオ的な色味のボーダー柄。
この生地はどういう意図で買ったかというと、かわいげがあるようなないような、無難というか、当たり障りのない感じが、絶妙な度合でリアルに女の子のデイリーショーツ味があるなあと思ったのだ。そこの情趣を狙って生地を購い、ショーツにして穿くという行為。そして満たされる心の部分。

 紐はダメだと言っておきながら、僕の作っているショーツのサイド部分の幅は、かなり細い。測ったら2センチなかった。ただのエロ目的ではないのか、見世物扱いではないのか、と批判された女子ビーチバレーのかつてのユニフォーム規定というのが、当該部分の幅が「7センチ以下」なので、本当に細い。そんなに細いのならほぼ紐じゃないのか、という指摘も出てくるが、細まった生地と紐では大違いだ。なにが大違いか。えーと、品とかだ。女の子の紐下着、紐水着は大好物だけど。

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紺色と白のボーダーで、しかもパイル調なので、とても好みの生地だと思ったのだが、ショーツにしてみたらボーダーの幅が大きすぎて、なにぶん本文でも語っているように、表面積の小さいショーツであるため、あまり具合がよくなかった。勉強になった。これは紺と白のワンペアで5、5センチになるのだが、ショーツに適当なのはせいぜい4センチくらいまでだ。

 そんな浅穿きでは、尻の割れ目がはみ出るのではないかという疑いを持つ向きもあるだろう。試作品の中には、たしかにそうなったパターンもあった。しかしTバックを許容しないのと同じく尻の割れ目を僕は許容しないので、そこは修正した。
 一方でフロントに関しては、少しくらい陰毛がはみ出るくらいのほうがかっこいいという美意識のもと、そういう曲線になっている。尻の割れ目は忌避し、陰毛はアピールする。斯様に、個人的感覚はどこまでも自由気ままである。

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グレーと白のボーダー。
もう、ザ・ショーツといってもいいような正統派ショーツ生地だと思う。これさえあれば、あれこれと生地を買い漁らなくても、ひたすらこれで作っていればいいんじゃないかとさえ思う。思いもするが、そういうわけにもいかないのだよな。

 ところで先ほどからボーダー柄のショーツばかりを紹介しているが、これまで僕はこの種の柄のショーツのことを、「ストライプ柄ショーツ」と呼んでいた。ニット生地を買うようになって、ストライプ=縦縞、ボーダー=横縞、という感覚が生まれ、呼び方を改めたのだった。しかしそれぞれの本来の意味を検索したところ、ストライプが縦横関係なく縞柄を指す言葉であり、ボーダーというのは日本独自の慣用表現らしい。へえー。あちらでは縦縞がVertical Stripes、横縞がHorizontal Stripesだそうで、それを聞くと、ストライプとボーダーという呼称は秀逸だと思う。向こうにも普及すればいいのにね。

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白と黒のボーダー。
ボーダーの色の取り合わせとして、最もオーソドックスなものだと言える。
ただしこの生地は、画像からもなんとなく窺えるかもしれないが、とても薄く、あまり耐久性がよくなさそうだと思う。穿き心地は悪くないけど。

 オリジナルショーツもこれでシリアルナンバー20に到達か。作るなー、俺。