キャスケット その4


 キャスケットを自分で作るようになって、帽子の販売ページを見ることが一切なくなった。近ごろは下着も見ないし、Tシャツも見ない。楽だ。そのうちズボンも見ずに済むようになりたい。この流れの行き着く先はどこだろう。靴だろうか。靴はさすがに無理だろうな。
 今回作ったキャスケットはこのようなもの。


 イラストの柄。かなり細かい絵なので、ぱっと見ではよく分からないだろうと思う。


 近寄ると、だいたいこんな世界観の絵である。オオカミ、シカ、ウサギ、リスあたりの動物が、森の中で暮している。素敵やん、と思って買った。だいぶ前に買ったが、買うときには帽子にいいなあと思っていたような気がする。そもそもキャスケットという帽子が、水森亜土的な、夢見がちなフォルムをしているのに、それをこんなイラスト生地で作ると、なんかもう完璧なんじゃね、と思った。
 着用姿はこのような感じ。


 顔を隠すために俯いたせいで、なんとなく睨みをきかせているような、あまりかわいげのない写真になってしまったが、実物はかわいいのだ。信じてほしい。あと、見ての通り共布でマスクも作った。母のブラウスで先にやってしまったが、身に着けているものと同じ生地のマスクって、ハンドメイドの証であり、満足感がある。とは言え帽子とマスクはさすがに距離が近すぎるかもしれない。ちょっと異様だ。画像にもそれが出てしまっている。そのため実はあまりセットでは着けていない。