Nobitattle サマーコレクション2024


 Nobitattleは次々に新商品を出品している。
 ちなみに「Nobitattle」の発音だが、前回は「発音は、「ノビタット」のあとに、ルともレとも取れるLの風味を置く感じ。」と説明したけれど、あのあと、発音がはっきり定まらないブランドネームがあるかよ、と我ながら思ったので、確定することにした。
 ノビタットレ、である。
 立つため、いやそこまでフル勃起させるためではなくても、僕の作り出す下着や水着には、ちんこがちんこらしく立脚するためのスペースが必ず慮られているので、そこはやはり「立っとれ!」という、担任による愛のムチの言葉を採用することにした。
 というわけで今後は発音に気兼ねすることなく、「なあ、新しいノビタットレの出品、もう見たか?」「あたぼうよ」と、仲間内で明快に会話してもらいたいと思う。
 そんなNobitattleの、新商品である。
 

 今回から、柄の説明をしてゆこうと思う。
 こちらは濃いグレーを基調にした、草花のイラストのパターン。イラストが小さく、繰り返しが細かいので、柄としての派手さはないけれど、落ち着いた色合いということもあり、穿きやすいと言えば穿きやすいと思う。ビギナーにおすすめ。


 続いてこちらは大胆な柄。水彩画風のクジラのイラスト。クジラなのだから、スイムウェアの柄としてはだいぶふさわしいと思う。白が基調となっているので、濡れると透けるのではないかという危機感もあるが、柄が隠してくれるので意外と大丈夫である。ちなみにシロナガスクジラのペニスは、動物界最大の3mだそうだ。


 こちらも柄がいい。鯉が荒い川を突き進む、躍動感のあるイラスト。これを穿いているときは、心なしか早く泳げるような気がする(使用者個人の感想です)。ひとつ残念なこととして、柄が左右対称で販売されていれば、せっかく股間に向けて立体的な作りにしていることもあり、左右それぞれの柄を使用して、突き出る股間中央に向けて鯉が進むように仕立てられたのにな、と思う。そうしたらいったいなんだってんだって話だが。


 こちらは完全に模様。青海波というらしい。それなりに柄合わせを心掛けたこともあり、継ぎ目が判りづらく、そのため水着水着していないというか、穿くと少し不思議な印象になる。男性の下半身をかたどる立体的な仕立てなのに、1枚の布みたいだから、どことなく皮膚っぽさがあるのだと思う。喩えるなら、スパイダーマンのスーツみたいな。だからある意味でこの商品がいちばん、ぬめっとしたおぞましさがある気もする。


 パイナップルの柄。少し前にネットの記事で、「さかさまのパイナップルというモチーフは、地域によっては「私は性に対して奔放です」というアピールの意味になるので注意が必要」という話を読み、とても心があたたかくなって、僕はこれからの人生で、こういう情報だけを新しく取り入れて生きていきたい、としみじみ思ったのだけど、そういうわけで、じゃあぜひパイナップル柄のスイムウェアを作らなければならないな、と思って注文した。ただしこの生地のパイナップルは、さかさまだけでなく様々な方向になっているので、製作の意図は十全には表現できていない気もする。しかし緑色の生地は他にあまりないので、バリエーションという意味で貴重だ思う。


 こちらはよく見ればまるでスイムウェアらしからぬ、月とウサギがモチーフになった柄。でもスイムウェアらしからぬと言うが、いったいこの生地はなにに使えば「らしい」のか。ただしウサギは性欲のシンボルという面もあるので、プレイボーイのデザインよろしく、なるべくなら下着やスイムウェアに使いたいという思いは持っていた。そして紺色が基調となっているので肌に映えつつ、わりと多彩な色が使われているので、普通にかっこいい。おすすめの1枚だ。


 こちらも紺が基調。ただしちょっと淡い。創作の世界のスクール水着は、濡れると光沢の出る、濃い紺色であるのに対し、現実のそれはわりと色褪せた、なるほど絶妙に情欲をそそられない色をしているんだよな、と思わせる、その現実のスクール水着の色である。そこへマーガレットであろう花が散りばめられた生地。地味なのか派手なのか、真面目なのかおふざけなのか、非常に判断がつきにくい感じがあって、そこに情趣がある。これを5人くらいの男が揃って穿いていたらさぞ異様な集団だろうな、と思う。
 

 これはだいぶ振り切った柄。やっぱり赤ってとても目立つので、にわかには手を出せない感がある。しかも赤ベースの、ほのピンク曼殊沙華だ。とんでもないじゃないか。でも生地販売のページで長らくずっと気になっていて、しかしいつも「やはりこれはなあ」とカートから除外してしまっていた。それをこのたび、販売を始めたことで背中を押され、「これが刺さる人もいるかもしれないし」ということで、ようやく発注することができた。作り、満足した。誰かの趣味に刺さればいいと思う。反社だったら嫌だな。
 

 カラフル幾何学。目がチカチカするほどうるさい。でもこれに限らず、スイムウェアって、ちょっと非日常というか、普段この柄のシャツを着るかと訊かれたら決して着ない、だから着たときはちょっとテンションが上がるような、そんなデザインでちょうどいいのではないかと思う。黒に、青かグレーのラインがスーッみたいな、そんな紳士ものの靴下みたいな水着で泳いだって、愉しくないだろう。プールを愉しくしようぜ。

 とりあえず以上である。
 今回も僕の販売ページのリンクを貼っておく。買わないまでも、閲覧したり、いいねをしたりしてくれれば、嬉しい。タダなんだからしてくれたっていいじゃないか。


 ちなみに今回の出品に合わせて、お試し価格2600円以外の商品の価格を、これまでの3800円から3300円に下げた。断腸の思いである。手間を思えば3800円はぜんぜん妥当、むしろ安いのだけど、とにかく売れてほしい、売上金で次の生地を発注して新しいのを作りたいという思いから、泣く泣く下げた。セルフやりがい搾取である。つまり買うごとに購入者は500円も得をするという計算。このなんでも値上がりする時代に、こんなお買い得があっていいのだろうか。2枚で1000円、10枚買えば5000円も得をして、夫婦でちょっとしたいいランチを愉しむことができる。手元に10枚の素敵な水着がやってきて、おいしいものが食べられて、そして僕には売上金が舞い込み、さらにはそれでまた新しい商品を出品することができ、あなたはまたそれをお得に購入できる。持続可能な、誰も損をしない、成長を伴う夢のような循環。スイムウェア・ドリーム・グッドネス・システム、略してSDGsをここに提唱したいと思う。