Nobitattle オータムコレクション 2025 その2


 新々パターンで、着々と新作を生み出している。でも実はまだ新々パターンは出品できていない。やっぱりこれまでのものとはきちんと区分して販売することに決めたのだが、そうすると新しい商品説明の文面を考えねばならず、そこがままなっていないのだった。売らない以上、売れないわけで、その部分へのガツガツさが低いのが、われながら「だからお前は金を稼げないのだ」と思う。結局、作ることと、自分で穿くことで、95%くらい欲求が満足してしまっているからなあ。あ、あとこのブログでの作ったもの紹介もそこに入るか。これも含めて、一連の行為が趣味。なかなか商売と結びつかない。
 というわけで1枚目はこちら。


果汁って言えば聞こえはいいけど。
Nobitattle.


 水彩画タッチに描かれた、大ぶりのフルーツの柄。パイナップル、バナナ、オレンジ、キウイ、パッションフルーツ、スターフルーツと、南国系の果物が所狭しと並ぶ。全体的に橙色のフィルターが掛かったような色味で、肌にも近く、だいぶ生々しい。果肉という言葉があるけど、果物って、下手な畜肉よりもよほど肉なんだな、ということを感じさせる。大富豪の女なんかは、果物と、グッドルッキングガイのぱぱぼとるを、なんら区別することなく、どちらも気ままに口に含むんだろうと思う。
 続いてこちら。

泡じゃ隠せない、罪。
Nobitattle.


 これは前にも使った柄。今年の正月コレクションで紹介している。それは組成の少し違う生地で、しかも旧パターンでの製作だったため、いろいろ新しくしたこのタイミングで作り直すことにした。たぶん人魚をイメージした、パステルカラーの鱗柄である。それを男が、本当に股間周りを覆うだけの面積で、性器はわりと強調した感じの水着に仕立てて穿くという、その情趣。そのための乱獲で人魚は絶滅しました、という架空の背徳感を抱いてもいい。この人魚の肉を食んでも、多少のイカ臭いたんぱく質が飛び出てくるだけで、不老不死にはなれません。
 続いてこちら。


パンツの中で、戦争ごっこ。
Nobitattle.


 迷彩柄である。水着を作るまでは日常でまったく無縁だった迷彩柄も、これで3つめ。最初は緑が基調のザ・迷彩で、次は青と白とグレーの爽やか系迷彩、そして今回は赤黒迷彩。自然界にこんな色味で紛れるような環境はあまりないと思うが、その一方でやはり血の色なわけで、だとすればこの迷彩柄で目立たなくなる状況について考えると、だいぶ凄惨な風景が思い浮かぶ。これは体の内側の色なのだ。だとすればこんな迷彩が役立つ日なんて、いつまでも来ないでほしい。兵隊のおじさんが昼間から飲んだくれてちっとも働かない世界が、いつまでも続けばいい。機関銃は、ベッドの上でだけ撃てばいいんだ。
 続いてこちら。


むいむいしちゃえよ。
Nobitattle.


 エメラルドグリーンにピンク色という、大胆な配色のバナナ柄。とうとう! とうとうバナナを前面に出したデザインの生地で水着を作っちまいましたよ! やったね! バナナだけに、一皮剥けたね! ところでこのコピーは、ChatGPTではなく自分で考えた。二次元ドリーム文庫で、年上のスク水メイドに主人である少年がぱぱぼとるへの奉仕を乞うとき、「むいむいして!」という表現があって、それは主に関西圏で使われる「剥く」の幼児語なのだそうで、とても気に入っていた(もちろん神楽陽子著)。ちなみに僕はメイドに剥いてもらう必要はないですけどね。そんなバナナ柄なのだけど、ちょっとウォーホルっぽいポップな感じで、色合いもおしゃれなので、穿くと普通にかっこいい。バナナってことに囚われず、そんなことに囚われる人なんて逆に助平だと思うので、気軽にチョイスしてほしいと思う。
 続いてこちら。


近くで見てごらん。……ほら、実は動いてる。
Nobitattle.


 なぜかハシビロコウのイラスト柄。さまざまな動物がいる中で、なぜハシビロコウなのか。僕が前々から求めているゾウのイラストは未だないのに、ハシビロコウに先を越されてしまった。そんな不満を言いつつも、購入して水着を作った。グリーン系統の生地は少ないので、あると選びがちなのだ。ハシビロコウと言えば、動かない鳥として知られている。動かず、顔も哲学者めいているので、いろいろ勝手なイメージを付与されまくっている。実際は鳥なのですごく阿呆なんだろうと思う。それにしても陰嚢って、じっと見てると呼吸に合わせてだいぶ蠢いてるよね。まさに春の虫くらい脈動している。うん。
 続いてこちら。


つよいぞ、つよいぞ。Nobitattle.


 以前に、トラ柄の生地があったら、まんま鬼のパンツみたいにできてすごくいいのになあ、ということを書いた。そのときからこの生地はあったのだ。でもいまいち納得していなかった。山吹色と黒の単純な縞々でいいんだよ、なんか斑点みたいな細かいディティールはいいんだよ、と思っていた。その思いは今も消えていないが、我慢ができなくなったので、買って作った。まあそれなりに溜飲は下がった。コピーはChatGPTは使わず、歌詞から採った。鬼のパンツはいいパンツ。秋風の忘れ物。夕焼けピーヒャララ。中には隆々とした金棒があって、心浮かれて、心浮かれて、踊り出します。風に乗って、あなたのもとにも届きます。
 最後にこちら。


がるるるくぅーん。Nobitattle.


 ヒョウ柄。ヒョウ柄やん。めっちゃいかついやん。ええやん。迷彩と一緒で、日常では絶対に選ばないけど、水着ならそれもありだよな、と思って選んだ。作って穿いてみたら、想像の5倍くらいかっこよくて、やべえ、ヒョウ柄に目覚めてしまうかもしれない、と思った。コピーは、作ってるときから、「これしかない」と心に決めていた、僕のオリジナルギャグだ。オールドファンにしか分からないだろうと思う。振り返ってみたところ、なんと2010年のcozy ripple流行語大賞のノミネート語だった。15年前……! ノミネートの際の説明文によると、『破皮狼の獣性と優しさの融合を表現した傑作ギャグ。粗暴で人嫌いだけど、実は寂しがり屋で甘えん坊なのだぜ、というアピール。本当にかわいい20代後半男子。』とある。20代後半男子のこのギャグが、まさか15年後、40過ぎになって、オリジナルの小さめもっこりボックス水着へと結実するとは。人生の不思議さ、もとい、最近ファルマンにたびたび言われるのだが、「あなたって異様にブレないよね」という指摘(たぶんいい意味と悪い意味を半分ずつ込めて言っているんだと思う)を、しみじみと痛感させられる。二次元ドリーム文庫も読み続けてるし。いつまでも変わらないパピロウのことだけが、やたらめったら好きだよ。がるるるくぅーん。