オリT 14・15・16

 
 前回のオリT投稿が2020年7月とのことで、2年も空いたことになる。2020年の7月と言えば、不定期連載中の「百年前日記」を読んでいただければ分かるように、岡山で6年あまり勤めた縫製工場が閉鎖してすぐの、再就職活動もまだ始めなくてもいい、わりと気楽だった時期だ。それから2年。本当にトボトボとしか更新しない「百年前日記」はまだその年の9月に在るので、全貌が明らかになるのはだいぶ先のことになりそうだが、この2年間は想像をはるかに超えて激動だった。ちょうど2年ぶりということで、そんなことを意識してしまった。いろいろあったけど、またオリジナルTシャツ作りができるようになったのだな、などと。
 Tシャツ作りは、そこまで大変な作業ではないのだが、ステカという機械を挟むために、やっぱりまあまあ暮しが落ち着いていないと、わざわざしようという気にならない。そういう意味では、やっぱりこの2年間は作られないべくして作られなかったのだろうと思う。
 2年ぶりに動かそうとしたステカは、はじめ言うことを聞かなかった。カッターが動かないのである。壊れてしまったかな、壊れてしまっていても文句は言えないな、などと思いながら、掃除をしたり油を差したりなどして、そうしたらちょっとずつ動くようになり、なんとか復活した。強ばりが徐々に溶けゆくような、なかなか人間味のある直り方だった。
 リブートしたステカで、まず作ったのはこのデザインだ。


 これまでに既に2枚作っている「BUNS SEIN!」である。ちなみにこれまでのデータは外付けハードディスクの故障によってすべてなくなってしまったため(これもまた2年の間が空いた原因だろうとも思う)、新しく起した。それくらい気に入ったデザインなのだ。シンプル洗練おしゃれな感じなのに、意味は「まんぐりがえし」だというギャップがいい。
 それからこちらとこちら。



 子どもにもTシャツを作ってやろうと思い、素材は数ヶ月前に買っていた。ポルガは青、ピイガは緑という、それぞれ好きな色である。数ヶ月前に買っていたが、作る踏ん切りがつかずにしばらく放置していた。実を言うと2年前にも、子どもに作ってやるつもりで買い、とうとう作らなかった素材Tシャツがあった。ポルガ用のサイズはそのうちピイガに使えるが、2年前のピイガ用に買ったサイズはもう使えない。2年という月日たるや。
 今回作るにあたり、それぞれに好きなものを訊ねた。
 ピイガは僕がフェルトで作ってやって以来、異様なまでに愛している緑色のゴリラをリクエストし、自分で絵も描いてきた。「みどご」と名付け、ピイガは本当にあの緑色のゴリラのことを深く愛してくれたのだった。あのとき作ったかいがあった。Tシャツもとてもいい具合に仕上がった。イラストと文字のバランスがいい。学校でも好評だったらしい。
 ポルガは「ファラオ」と答えたので、いろいろ考えた末に、画像のようなことになった。ツタンカーメンである。フォントもそれっぽいものを選んだため、やけに味のある、かっこいいTシャツになった。ツタンカーメンTシャツ。なんだろう、どっかの特別展のミュージアムショップとかで買ったのだろうか。本人はご満悦だった。今更だけど、変な子。
 しかしやっぱりオリジナルTシャツは愉しいな。せっかくステカを復活させたのだから、これからは間を空けずにどんどん作ろうと思う。